◆『LOVE』◆(1/16/2007・K様)
今回の旅行のメイン・イベントは、シルク・ド・ソレイユの“LOVE”観賞。
劇場入口からイギリス一色。
場内スタッフも、ポリス風衣装を着たお姉さんや近衛兵風のお兄さん達で、それだけでワクワクしてしまう。
劇場は、すり鉢上の変形円形劇場(通路が少し不便な作りになっているのと、座席間が狭い)で、ステージはひし形を二つくっつけたような感じ。
それに沿って四方に花道がある。最初は天上から半透明のスクリーンがその花道沿いに下がっている・・・つまり、客席全体を四分割しているので、
後方の席ならまだしも、前方の席だった我々には会場全体を見渡すことが出来ず、いつものようにショー開始前の客席でのパフォーマンスが
自分のセクションでしか見られない。したがって、あちこちで起こる笑い声にも何が起こっているのかが分らず、少々欲求不満気味になった。
ショーは・・・単刀直入に言うなら、シルク・・・ファンには、目新しい出し物や派手なアクロバットの少ない、ダンスを多用したショーで、少々物足りない。
例えば、中心となるのは、エアリアル・コントレーション(天上からリボン等にぶら下がってバランスをとるアクロバット)のバリエーションばかりで、
四方のトランポリンと中央の電話BOXを使った出し物も、“La Nouba”のそれと比べ物にならないほど小規模。
ハーフ・パイプを使ったローラー・ブレードのパフォーマンスが、新しいといえば新しい。
逆に言えば、ビートルズ・ファンにとっては、彼らの楽曲の歌詞や登場人物達が、まるで万華鏡を覗くかのごとく、その音の軌跡を実際に見せてくれる、
幻想的で不思議なショーだともいえる。
つまり、これは、シルク・・・目的ではなく、ビートルズを楽しむ為のショーである。
自分の好きなナンバーが流れるというだけでも、ドキワクものなのに、曲の背景や時代に沿って歌詞の登場人物達が現れるというのは、ビートルズ好きには堪らない。
なにしろ、ペッパー軍曹(勿論、ロンリー・ハート・クラブ・バンドも)にエリーナ・リグビーにマッケンジー神父にジュリア、レディ・マドンナ、
おまけにクロツグミ(Black Bird)まで登場するのである。
文字通り満天のダイアモンドのような星の下、浮かんで飛んでゆくルーシーの、可憐で美しいこと・・・。
一番凄いと思ったのは、客席を含めて劇場全体をショーの一部にしてしまうことだ。
ショー開始前には鬱陶しく感じていたカーテンは開始と同時になくなるのだが、時々下りてきてはスクリーンになり、客席後方のスクリーンと連動してさまざまなCGを映し出す。
時には第二次世界大戦の模様だったり、フラワー・チルドレンとそれを迫害する警官達だったり、突風に煽られた歌詞の嵐だったり・・・。
そして、(恐らく前半分の)観客もショーに巻き込む仕掛け(これが何かは秘密。是非会場でじかに味わってもらいたい)。
音だけでなく自分たちもパフォーマンスの一部を担い、ショーの一部となるという心憎い演出。
あと、画期的なのは、座席の一つ一つにスピーカーが内蔵されて、迫力のサウンドも堪能出来るのである。
(この辺も、オリジナル・バンドの生演奏バックという、いつものシルク・・・のスタイルと全く違う)
最後には“オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ”(全世界同時衛星生放送を思い出した)に乗って降り注ぐ赤い紙テープと紙の花びらは、もう圧巻。
思わず隣の人と手を繋いで合唱(笑)。これだけでも、このショーに来て良かったと思った。
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